気胸連休
キキョウレンキュー

序章:自分と快い朝と胸痛

  コトの始まりは、月曜日の朝。仕事に行く身支度を整え終わった、という時でした。突然背中の左側が痛みだしました。続いて左胸の上の方も痛み出します。なんだこの痛みは?と、軽くストレッチ運動をするも、効果は無く、痛みは少しずつ鮮明になってくるのでした。

  まぁ、このくらいの痛みならじきに収まるだろうと、いつも通り出発。…したのですが、自宅前の坂を登る時点でかなり痛みが酷くなり、なんなんだーこの痛みは?と幼稚園に行く途中の元気な親子を横目に嫌〜な汗をかいている自分なのでした。

  んーこれはツライ。洒落になってないぞホントに。会社を休もうかと少し思いましたが、今日は納品物の稼動確認日。自分が出社しないとチームの他の人が結構大変な事になります。とにかく今日は出社して、明日も調子が悪いようであれば、それから考えよう。という結論に達し、目指すは最寄駅であります。

  にしても痛い。苦しい。たかだか徒歩8分程度の最寄駅までの道のりが、かくも険しい道に見えたのは初めてであります。なんで空はこんなにも澄みきった青なのに、自分の気分は違った意味でのブルーなのか。歩くのもままならなくなり、通勤途中の人々の中、意味も無く立ち止まるのは目立って恥ずかしいので、携帯でメールを打つフリをして小休止。ココから折り返して家に帰ろうか、いや今日は、今日だけは出勤すべきサラリーマンなのだ自分は。と、使命感って恐いものですね。命縮めますよホントに。

  再度最寄駅への道を進み始め、普段の二倍くらいの時間をかけて、駅に到着。さて、これから毎朝恒例の満員電車に乗るワケですが。自分死なないかな?乗っちゃったらもぅ、後戻りはできないなぁ。という不安はあれど、ギュウギュウ詰めの車両に乗り込んでしまう勇ましい無謀な企業戦士なのでありました。

  さて車内にて、周りを見渡せば何故か女性ばかり。これならどの方向から押されようが、自分大喜び。でも押されたら苦しいニャ〜。ココが果たして天国なのか地獄行き列車の中なのか、当時の自分には知る由もありませんでした。


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